おおらかな木の家には
人の生き方を変えるチカラがある(ような気がする)。
そこで、木の家に住んでいる人にこんな質問を。
「木の家に住む前と、住んでいる今。なにか、変わりました?」

庭が小さな植物園になりました

福岡県

Nさんご家族 後編

Nさんご家族

ご主人・奥さん・長男(小5)・次男(小1)の4人暮らし。

夫妻は、大学の同級生として出会いともに水産学を専攻。共通の趣味は、ダイビングとサーフィン。

「きのいえ以前。ガーデニングは鉢植えを少々」

以前のマンション暮らしのときから、植物は育てていたんですか?

ご主人: はい。生き物や植物が好きで、ベランダで鉢植えを育てていました。ベランダはそんなに広くなかったので、地面に植えてちゃんと育てたいという思いがありました。

奥さん:私は、植物の世話に関してはノータッチなんですよね。

室内にも鉢植えがたくさんありますね。

ご主人:マンションから育てていた多肉植物や塊根植物をはじめ、観葉植物などを少しずつ増やしていきました。

さまざまな種類の木や葉が生み出す造形美に惹かれる、とご主人。アートにも負けない、美ととらえている。

「きのいえ以後。庭が小さな植物園になりました」

庭づくりは更地の状態からはじめたと聞いています。

ご主人:なにもないところから、土を掘り返して。スコップひとつでこれまで作り替えた土30トンです。家族みんなで芝生を張ったり。自分たちの手でつくりあげていくのが楽しかったんです。庭には、オージープランツと呼ばれるオーストラリアの植物をはじめ、海外の植物を主に植えています。どこに何が植えてあるのかパッと見よくわからない自然に近いような庭、小さな植物園のような庭を目指しているんです。

デッキにおいたアームチェアは特等席。「ここに座ってよくぼーっとしています」

奥さん:造園業の方に頼んだりもせず、植樹も自分たちでやりました。庭の中央にあるオリーブの木は、樹齢200年の古木。重たくて、ヒーヒー言いながら運んで、植えましたね。

ご主人:「ピカソ」って名前もつけたんですよ。我が家のシンボルツリーです。
植物は、ひとつひとつ出会いから成長の過程まで色々な思い出が詰まってます。ここまで植物が元気に育ってくれて、花が咲いてと、庭いじりが楽しくて仕方がないですね。

スペインからやってきたという樹齢200年のオリーブ。「ありがたいことに根付いてくれて、我が家では敬意を込めて「ピカソ」と呼んでいます」

庭の一角に、ログ小屋「イマーゴ」も建っていますが、なにに使っているんですか?

ご主人:庭づくりの道具やキャンプやクライミングのギアを収納しています。収納だけだともったいないので、椅子をおいたりして、なかで過ごせるようにもしています。ここやデッキにおいた椅子に座って庭を眺めながら、次はどうしようかなと考えるんです。植物は生きているから、季節ごとに風景が変わって、庭作りは終わりがない。この家に暮らしてから、新しい生きがいができました。

倉庫であり、趣味の場であり、家でも庭でもない第三の居場所であるイマーゴ。

福岡県 Nさんご家族 前編